No.0028:自己資本比率〜自力と他力のシナジー 
2016.03.26

 自己資本比率とは、自分の持っている全ての資産から他者より借りているお金を引いた金額が、全ての資産に占める割合のことです。例えばA社は保有する自社ビル、現金、社長の無意味に高すぎる車(社用車)でトータルの資産価値が3000万円、借金は銀行からの借り入れで1500万の場合、

自己資本比率=自己資本(総資産-負債)÷ 総資産=(3000万-1500万)÷ 3000万=50%

 となります。この指標が何を示すかというと会社の安全性で、これが低いと倒産のリスクが高いなんてことで、この会社の株買うの、おっかないな、下手すると紙くずだな!とか、この会社と取引するの危ないな、現金ならまっいいけど、手形は無理!みたいなことで、株価や業績を下げる一つの要因となります。

 自己資本比率は40%あれば安全(業種や会社の発展段階により一概には言えませんが)だとか言われている中、今話題の東芝の今期が2.6%とか、シャープの昨期が1.5%なんてことになっていました。殆ど借金で会社が支えられていることになります。

 その一方で、会社を起こしたばかりでアイデアは持っているものの、それを活かす資金がないとか、または自社にない優れた技術を自社の技術と掛けあわすことで強烈なシナジーが期待できるから、そんな素敵を他社から買いたいとか、そんな場合、お金のあるところから借りてきて実現することは、とっても有効的です。自分のお金が貯まってから、なんて眠たいこと考えていたら、チャンスは逃げていってしまいます。移ろいの激しいこのご時世ですので。だから必ずしも借金が悪いなんてことはありません。お金のあるところから、今後の将来性を情熱的にアピールし共感を得ることで、借りてくればいいんです、なんて軽く書いといて、それが出来れば誰も苦労はしませんが。

 同じようなことで、 どうしても成し遂げたいことがあって、そのためには5つの分野の能力が必要で、その全てを自分は持っているワケではない、なんて場合は、それがもたらす可能性・魅力を懸命に伝えることで他者(社)を巻き込み、助けを借りられるか?が非常に重要になります。経営の神様なんて言われているパナソニックの創業者である松下幸之助も自分が苦手なことは、自分でどうにかしようとはせず、それが得意なものから助けて貰えばいい!みたいなことを軽く言ってました。

 私は自分でできること、他者から手を借りないとできないこと、を適切に判断して何から何まで自分でやり過ぎないようにしています。私は人に頼むのが、かつて苦手で(今でも得意ではありませんが)、 多くを自分で抱えすぎて、あふれてしまった苦い経験があります。人に頼んで拒まれるのが妙に怖かったので。バックを信用することなく絶対に三振取るぞ!ってリキんだ挙げ句、フォアボールの連続で失点してしまう哀れな独り相撲なピッチャーみたいに。

 ここ2ヶ月の間、毎日のようにマイナス金利って言葉を耳にします。素直にとると放っておくと現金が減っていくということです。仕掛けた日銀からすると、借りて使った方がお得!ってこでしょうけど、借りてまでして自分の信じたことにお金を投じるなんて勇気は無い、そんな、優柔不断な思いを新聞、ニュースの経済記事から感じます。それは自己資本比率を高くキープしたい、なんてことより、 自分が自信を持って挑戦できる何かを求め探しあぐねている、そんな渇望感みたいものではないかと思っています。実は私も借金が怖くて一歩を踏み出せていない一人ですので。 
いつも勇気をもらっているsonic youth