No.0026:機会損失〜もったいない、もったいない
2018.02.03

 先週の土曜日からインフルエンザにかかり腰痛、寒気、だるさ、に苦しんだ5日間でした。ようやく今日から起き上がることが平気になってきました。寝込んでいた間は、当然のことながら仕事は出来ませんでした。かといって私はサラリーマンではありませんので有給休暇なんて神のような仕組とは縁がありません。横になってもうろうとしていると気分も幾分、弱気になり、この間にXX円がパーに、なんて考えると焦りと悲しさでやりきれない気持ちになってしまいました。このような状況を機会損失といいます。つまりお客さんが「欲しい」と言っているのに売手のヘマで売ることが出来ない状態です。自己管理の大切さを改めて実感してしまいました。

もったいないおばけ
 機会損失という言葉を説明するにあたり、よく例として取り上げられるのが、お店で欲しい商品がない、欠品しているシーンです。万引き等による損失と違い、その失われた額が明確になりませんので下手すると見落とされがちです。今流行のビッグデータ(ハンパない大容量データ)の活用によってお客の需要を精緻に推測することで売り逃し(機会損失)も、売れ残りも、ともに回避することで利益を最大化するような取組がここ最近、活発化しています。

 次に機会損失とは直接関係はないですが、「機会が失われている」例として、大手家電メーカーの経営が危ないことになっていて、国が9割以上のお金を出している産業革新機構が3000億円を出して大手家電メーカーを救済するなんて話が進んでいます。産業革新機構の役割は優れた技術にお金を出して日本の発展を促すことであって、潰れかけた、でも本当にそうなってしまうとヤバい大企業を助けることではありません。資本主義社会に身を置いている以上、競争に敗れた企業が市場から姿を消すことは、ある程度、仕方のない現実で、大企業だからということで国のお金をたっぷり使って助けるのは公平性の観点からいかがなものかと考えます。毎年多くの会社が倒産し、その大部分は規模の小さな企業です(2015年の倒産件数は8,812件、そのうち中小企業のそれは8,806件)。さらにマズい、マズすぎるのは、そういった大企業の延命のためにお金が使われてしまい、本当に有望な、でもお金が足りていないが為に、とどまってしまっているアイデア・技術に、お金が行き渡らないことです。

何だかな? 阿藤快

 最後に「チャンスの神は前髪しかない」というマーケティングの講師の方から伺ったことわざの話です。ギリシャ神話でチャンスの神様であるカイロスの頭髪が、前髪は長いけれど後頭部は禿げていることに由来しています。何が言いたいかというと、 チャンス(機会)だと思ったらすぐにつかみにいかないと、通り過ぎた後ではつかめない(遅い)ということです。どうして僕にはチャンス(機会)が来ないのだろう?みんな、チャンス(機会)を得て縦横無尽に走り回っているのに・・・なんて愚痴っておきながら、実はチャンス(機会)に気付いていない、反応が遅い、だけ、そんなでありたくない、だからオモシロそうだなと感じたら、立ち止まって注意深く見てみるとか、質問してみるとか、自分の持っている他のこととくっつけられないか考えてみるとか、そんなふうにチャンス(機会)との出会いを大切に考えています。後になって、もったいない、もったいない、なんて嘆くのはインフルエンザだけで十分なので。
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