No.0034:ロックオン〜必要に的を絞って情報を集める 
2016.09.25

 突然ですがコンピュータの動きを簡単に表現すると次のようになります。

 入力 → 処理 → 出力

 つまり情報を集めて(入力)、加工して(処理)、結果を表示する(出力)そんな流れです。このような一連の流れを効果的に行う方法としてAI(人工知能)が注目されています。人間の脳の動きを参考にすることでコンピュータが「 使えそうな情報とそうでない情報を判別する」能力が飛躍的に高まっています。囲碁でgoogleの人工知能がプロの棋士に勝ったなんて話を聞いたことのある方も少なくないと思います。このような技術を車の自動運転や病気の治療、農業の生産性向上など、人の生活向上に向けた活用が期待されまくっています。

 今回は標題のとおり、自分の置かれている状況の中で、今もしくはこれから先、しないといけないこと、したいことを行うためには、自分にはどんな情報が必要なのか?を人工知能のように適切に判断して効果的に情報を集めるにはどうしたらいいか?そんなことを書いてみました。

 最近、私は時間が圧倒的に足りないことに悩んでいます。家族のこと(子育て、家事、親の世話など)、お金を稼ぐこと、一生をかけて成し遂げたいこと、趣味、例えばデジタルものをいじくること、歴史の本を読むこと・・・などで、あっという間に時間は過ぎていきます。そんな中、いかに必要な情報に的を絞って効率的に成果(出力)に結びつく情報を集められる(入力)か?ということを、とても重要に感じるようになりました。

情報収集(入力)は成果(出力)を強く意識して行わないと。

 私は、かつて知識が不足している自分に強烈なコンプレックスを抱えていたため、時間の許す限り知識の吸収に励んでいました。例えば私は新聞を読むのが好きでしたので、休日の日などは、下手すると半日以上かけて読んでました。集める情報の対象はオモシロいか、そうでないか、ただそれだけで、明確な目的意識は持ち合わせていませんでした。そんなことを続けているうちに、ある情報を得ると、それに関連することにも興味が拡がっていきました。例えば中東で宗教の問題で争いが起きている、何故だろう?歴史を辿って調べてみよう!といったように。ニュースや新聞は事実は伝えてはくれますが「何故?」について足りないことが少なくありません。

 そんなふうに興味・関心が拡がっていくこと自体は良いことではありますが、ある程度の幅ができたら、その中から自分にとって大切なことに的を絞って深く掘っていくことの重要性を感じていました。オモシロサに順番をつけて、下の方のことは放っておいて、上の方のことに、より時間を充てていこう!と、そんなふうに考えるようになりました。そう思うようになったきっかけとしてevernoteなどのクラウド(ネット上に情報を保存して、いつでも、どこでも必要な情報を引き出せる仕組)の発展によって 今後、知っているだけの価値は薄れて(その都度、知りたい情報を検索すればいいので)知ったこと(入力)を自分なりに解釈して(処理)、必要な時に分かりやすく表現(出力)できることが重要になっていく、ということを本で読んで強いインパクトを受けたためです。

 かといって、全く知らないと、何らかの価値ある刺激(情報)に対して、反応できないので幅広く知っておくことは大切です。じゃないと食わず(知らず)嫌いで、チャンスを見逃してしまう(スルーしてしまう)ような残念なことになりかねません。しかし、ずーっとそればかりでは浅いままです。だからある程度、幅広くなれたら、幅広さは置いといて、特に大切に感じたことに対してとことん掘ってみないと!って考えるようになりました。社会に出たばかりの頃、先輩から T字型のスキルが重要だ!なんて言われたことがありますが、随分と後になって、その言葉が実感となって蘇ることになりました。そんな深さがライバルに対する競争力、自身のアイデンティティに繋がるのかなと考えています。そんな深掘りを幾度か繰り返し、幾つかの深さを持ちたいと考えています。

 さらに、そうやって 得た見解を人に上手く説明して、価値を感じてもらえることの重要さを強く感じます。大概において、自分が情報を集める目的は、人を喜ばせるためだからです。それができないならば、ひとりよがりの残念な情報として、自分の中で静かに腐っていくことにもなりかねません。だから相手の状況に応じて伝え方を変えて、例えば相手にとって難解だろうことには、普段の生活の似たようなことに変換して伝えることで、分かりやすく分かっていただけるような工夫を心がけていたいものです。例えば某近隣国がミサイル実験を繰り返している行為は、異性に対して「死んでやる!」と圧力をかけて振り向いて貰いたい寂しいそれと同じなんだ、みたいに。

 最近、私は深く掘るターゲットとして農業を選びました。そんな中、先日、日本の農作物の輸出についての本を読んでいたところ、有機農法という言葉が載っていました。その時、普段何気なく使っていた「有機」ってどんな意味だろう?と、ふと思って調べてみました。事と事が何かしらの意味によって関連しあっている、そんなだろうな?って思っていましたが、正しくは「 全体を構成している各部分が、互いに密接な統一と関連をもっていること。」と表現されていまして素敵な説明だな!と感動してしまいました。自分の持っている各々の知識も、そのようにあることで価値あるアイデアを創っていきたい、そんなふうに思ってしまいました。自然を構成する多様な要素が連鎖、密接に働き合うことで人や環境にやさしい野菜ができるように。 

一見、無関係な離れていること同士を結びつけて、新たな発想を生み出せたら素敵だ。
幅広さに基づいた有機を感じるBECK