No.0016:インバウンド消費〜これはチャンスだ!
2015.06.25

 先月に岐阜、今月に旭川に行く機会がありました。そこで感じたのは東南アジア、中国の観光客の方が実に多いということです。昨年末の家族旅行での長崎のハウステンボス、またディズニーランドでも全く同じようなことを思いました。

 私が中学の時(バブル真っ最中のジャパン・アズ・ア・ナンバー・ワンとか言われていた頃、SONYのウォークマンが今のiPhoneのように光り輝いていた頃)、地理の授業で教わった内容は一人あたりの国民所得は日本が圧倒的な額で、アジアや中国の方が日本に旅行するのは経済的にちょっと難しかっと思います。

 そんなのは今は昔。中国の富裕層(100万ドル=1億2300万円以上の資産を保有)は日本の3倍以上にのぼる、といった統計結果もあるようです。そんな多くのお金持ちがすぐ近くにいるというのはチャンスということで鼻息の荒い話が、一昨日の日経新聞に載っていました。ファミリーマートで銀聯カード(中国の方の多くが保有するクレジットカード)の対応店舗を9月までに1000店舗増やすようです。

来日観光客10人の消費額は日本人一人の年間消費額と等しい。

 少子高齢化で日本の人口は今後、減少の一途で、それと同時に国力も衰退していくことが懸念されています。それをストップさせる案として、外国の方をもっと呼び込んで労働力不足を補いましょう!といった声が高まりつつあります。その一方で、そんなことしたら日本人の雇用が奪われるとか、治安が悪化するといった意見もあります。私は部分のマイナスでもって、衰退が確実視されている国力への対策が、思考停止されてしまうとしたら、それは残念なことだと思います。
   日本は島国で物理的に外と仕切られた状態でしたので、異質なことに排他的になりやすいのは仕方のないことです。また日本人の素敵な部分として他者へのきめ細かな配慮とか思いやりは海外に対して胸を張れる素養だと思います。ただ、それを海外の方にも過剰に同化を求めるあまりに発展の機会を失ってしまうのは、いかがなものかと考えます。
 
 2020年に東京オリンピックが開かれ、多くの海外の方が日本を訪れることになりそうですが、もう少し寛容な気持ちでもって海外の方と日本という地で共生を考える良い機会となって欲しいものです。日本の携帯電話が、かつては技術的に世界の先頭を走っていたものの、国内ばかりに目が向けられていたガラパゴスな状況によって、iPhoneの登場の後に、一瞬にして衰退を辿ってしまったようなことが繰り返されないことを願うばかりです。
ローリング・ストーンズの「チャンスはこれからだ」