No.0007:PPMで考える自分戦略
2015.03.16

 ノマドとして生きていくことは、自由な反面、頼れるのは基本的に自分だけなので、数多くある選択肢にたいして戦略的に向かい合っていくことが重要になります。そこで、今回は自分戦略を考える上でのヒントとなりそうなPPMという考え方についてご紹介します。 PPMとは他者(社)との競争に勝ち残っていくために、数ある可能性(商品)に対して自分(社)の限られた資源をどんなふうに使ったらいいか?成長率とシェアの2軸で考え判断することです。

4つのケース
 成長率とシェアの組み合わせによって、4つのケースに分けられます。市場の成長が著しく、かつシェアも大きい「花形」。市場の成長は落ち着いている一方でシェアが高い「金のなる木」。成長率は高い一方、シェアは低い問題児。成長率、シェアともに低い「負け犬」。それぞれの状態においてとるべき戦略は異なってきます。

花形〜収入も出費も多いトントン
 シェアが高く成長率が高い、イケイケな状態です、といいつつ競争が激しく、シェアをキープするためには、それ相応の努力、コストを要することになります。なので、利益はさほど大きくなく、収入も支出も大きい状態です。軌道に乗ってきたな、でもライバルの追い上げも激しいものだから、イケている自分の地位をキープするため時間とお金をかけて必死にならないとこの先、ヤラれてしまいます。ここを踏ん張って「金のなる木」に移行できるかが勝負の分かれ目です。最近、私が思うことがあります。私はお金を使うことに抵抗を感じるセコい人間です。ただ、使わないことには得られないことをつくづく感じるようになりました。生き金は思い切り使って、死に金は1円も使わない、少し大げさかもしれませんが、そんなふうに思ってお金を使えたらなと考えています。

金のなる木〜絶好調!
 競争は鎮静化して、シェアが高い、つまり競争に勝ち抜くための労力は少なくて済み、収入は大きいウハウハな状態です。ここで得られる利益を「花形」や「問題児」に充てて「金のなる木」に移行できるように支援します。こんな状態を早く作り出したいものです、うらやましい限りです。

問題児〜何とかしないと
 成長率は高いけれども、シェアが低い状態、つまり労力が大きく、収入が小さく、イケている分野であるにも関わらずライバルの後塵を廃している辛い状況です。自分を変え、工夫しまくって、金のなる木から資金援助を受け、ライバルにない強みを作り上げることで、ライバルから「奪う」ことが求められます。そんなことで「花形」あわよくば「金のなる木」にしなければと、苦しみもがきながら、メラメラしている今の私なのかもしれません。ただ、ダメなら撤退といった判断も大切です。

負け犬〜仕方ない次だ
 今後の成長が見込めなく、自分のシェアも低い、ショボーンな状態です。さっさと投資した分を回収して、次にいこう!といった見切りを意識することになります。僕が好きな言葉に 「早くやってみて、早く失敗して、早く次にいく」と言う言葉があります。多くの負け犬をいかに早く経験できるかが大切なのかなと私は考えています。

痛みを感じていないとダレる
 いかがでしたでしょうか?「金のなる木」を早く一つでも作り出したいものですね。ただ 「金のなる木」ばかりですと、守り、つまり現状維持に陥り変化を忌み嫌う組織文化が出来上がってしまうと言われています。そんなで今に満足して手をこまねいているいるうちに、強力のライバルの出現に打つ手もなく、あさっり・・・なんてことに。ですので「問題児」「花形」といった他者(社)とのガチンコ勝負の戦いを抱えつつ「金のなる木」から得られた収益が、そういった戦線に補給され「金のなる木」に育てるぞ!といった苦楽のバランスが望ましいようです。調子の良いときほど、緊張感を持てとよく言われます。「金のなる木」がいつ、どんな外的な要因によってなくなってしまうとも限りません。常に昨日より今日、今日より明日で変わっていきたいものですね。最後に「負け犬」の状態で強力なライバルのいなくなった競争の緩いところで、気合い入れて小さなところで圧倒する、そんな作戦もおもしろいようです。「鶏口牛後」大きなところの後ろであくせくするより、小さなところでリーダの方がいい、何か深いですね。
アイドルからアーティストに変わりつつある頃のビートルズ