No.0005:どことなく理解するIoT
2015.03.07

 IoTという言葉を聞いたことがありますか?Internet of Thingsの頭文字をとった言葉です。はっ?って声が聞こえてきそうですが、簡単に言うと パソコン、スマホ、タブレットとかでない、えっそんなモノまで?がインターネットにつながることです。例えば、テレビやエアコンといった家電、工場でせっせと働いている機械、一人暮らしのお年寄りの体温を計るセンサー、これまで電気の使用量の計測を人手に頼ってきた電気メータ、などがインターネットにつながることによって、今まででは到底不可能だった素敵が可能になります。

すでに身近になりつつあるIoT
 IoTと聞くと近未来なニオイがしますが、もうすでに身近で、それは私たちの生活を支え始めています。例えば、sonyのnasneというテレビの録画機器。インターネットに接続して外出先から録りためた番組を視聴したり、録画予約をすることができます。またIRKitというiPhoneを家電のリモコンにする機器を使用することで、外出先から今日は、マジサムだから帰宅前にあらかじめエアコンをつけて部屋を暖めておこう!といったことが可能です。そんなちょっとした素敵なことを耳にした方も少なくないと思います。

農業にぴったり
 今、何かと話題の農業。高齢化による後継者不足とか、農協の権限縮小とか、TPPの関税交渉のせめぎ合いなど、毎日のように紙面をにぎわせています。そんな農業の生産性を向上させるにあたってIoTが活用され実際に効果が出ている農家もあるようです。気温、湿度、土の中の肥料の濃さ等の発育環境のデータをセンサーによって計測し、コンピュータに送信し、過去データの分析によって導き出されたお手本と、送信されたデータを比較し、勘とか経験に依らない適切な対処をすることで、コストを抑えて収量を増やすといった成果が出ているそうです。もともと日本の野菜は海外で安全で美味しいと定評がありましたので、こういったことでコストが低減されることで輸出競争力を増し、貿易赤字の穴を埋めてくれるような存在になったとしたら素敵ですね。

コンパクトシティちょっと待って!
 少子高齢化によって人口が減っていくのは必至。だからインフラに投資する財源も足りなくなるから、僻地に住んでいる人を都市部に集めてインフラに要するコストを切り詰めるコンパクトシティが、まことしやかに(ホントかもです)語られています。また別の視点として橋、道路、トンネル、などのインフラの安全性を維持するのにかかる労力・コストをIoTを利用して効率よくやりましょう!ってことが動き出そうとしています。各インフラにセンサーを埋め込んでおいて振動や角度を計測してコンピュータに送信し、異常があれば通知して、補修するといった仕組みです。そんなで日々の運用コストを削減を狙うアイデアです。実は私の実家は小学校の頃、学校で一番、通学距離が長かったほどの山奥に位置しています。ですのでIoTの活躍によって実家が廃屋になるなんてことから救って欲しいなと切に願っています。

高齢化社会の救世主?
 
 年々増えている高齢者へのIT活用という観点でIoTが注目されています。どういうことかというとお年寄りの体にセンサーを取り付けて体温、脈拍、血圧といった情報を人手を介すことなく自動的に送信することで、日々の健康管理を低コストで実現できます。またお年寄りの孤独死の防止のために水道が一定期間、使用されなかった場合はメールが家族に送信されたり、魔法瓶の使用状況を定期的に家族にメール送信するといった仕組みが実用化されています。私の父も70歳を超えて一人で暮らしていますので他人事ではありません。何かしらの対策の必要性を感じます。ただ、頑固者なので素直に理解してもらえるか不安なところではあります。そろそろ発売が迫ってきたAppleの時計デバイスであるApple Watch。私はお年寄りの生存確認、健康管理にこそマッチするデバイスなのでは?と期待しています。そんなところに、我が社のビジネス機会、大きな宝が潜んでいるように思えてなりません。

 いかがでしたか?ITに従事する方でないとIoTという言葉は、まだまだなじみの薄い言葉なのかもしれません。ただ、 今後、 確実に 私たちの生活を豊かにしてくれる技術に育つことを私は確信しています。本日ご紹介したように、密かに小さな機械から発せられる微弱な電波が何十、何百、ときには何千キロも離れたコンピュータに送信され、そこで情報が処理され価値を帯びるのって感動的なことだと思いませんか?ひょんなきっかけで出会った男女に愛が芽生え、やがて生命が誕生するように。そんな神秘が、これから活発化し私たちを救ってくれる、そんな動きに注目してみるのもオモシロいかもしれません。関連株を買ってみるとか。ひょっとしたら意外な展開が待っているかもしれません。
神秘を感じるRadioheadのTreefingers