No.0002:ノマドとは?
2015.03.03

 ノマドの語源は遊牧民です。一つの地にとどまることなく牧畜の草や水のある所を求めて移動する人たちで、類い希な機動力によって歴史上、最大の勢力範囲を誇ったチンギス・カンの築いたモンゴル帝国が遊牧民によるものだったことは、あまりにも有名な話です。


モンゴル帝国のすさまじさ
 ノマドという言葉は、 とらわれないとか、柔軟とか、そういったことを表現する言葉として広義、狭義的にいくつかの意味があります。

 まず、固定的な組織に属さないという観点です。フリーの個人によってプロジェクトごとに最適な組織を形成し高い成果を上げたいと考えている、 会社という枠にとらわれない独立した個人のことです。会社組織のように人が余っているから無理にプロジェクトにアサインして無駄なコストが生じたり、逆に人が足りないからといって少人数で無茶な仕事量になったりといったことがありません。さらに多様なメンバの中から適した人物を選べるためパフォーマンスが高められます、といいつつ、まだまだ素敵な方々の多くは大企業に所属しているのが実情です。中韓やアジア各国とのガチンコ勝負の激しさが増し、社会の行きづまり感の拡大が予想される今後、リスクテイクが推奨される社会に向かい、つまり雇用の流動化が活発化していくとともに、このような動きが加速されると私は考えています。

 次に 働く国を限定しないといった観点です。世界の中で為替、物価等を考慮して最も適した場所で仕事を行い、円という通貨基準に依らない豊かさを大切にする働き方です。同じ仕事を東京で1000万円の報酬、700万円のコストよりもベトナムで400万円の報酬、100万円のコストの方が豊かです。何故かというとベトナムの方が価格競争力があり、さらに同じ利益300万でも物価の違いによってベトナムの方が圧倒的に豊かな生活を送ることが出来るからです。

 最後の観点として 高速化、無線化、低価格化した通信機能を利用して場所を選ぶことなく仕事をすることです。スタバでノートパソコンとスマホで仕事をするスタイルは、今や、それほど珍しくないのかもしれません。速度が20年ほど前の1000倍以上の通信が月額5千円程度で利用できます。ぴーひゃらひゃらって音とともに、画像が上から下にゆっくりとゆっくりと表示されていたのを懐かしく思い出します。また、使用量に応じて、ややもすると、えーっな通信費が課金された、なんてこともありました。そんな、あの頃は今は昔です。さらにパソコンの低価格化、高性能化、軽量化といったハードウエア面の進化も著しいものがあります。そんな数々の素敵がノマド的な活動を後押ししている状況です。

 以上のようにいくつかの定義があるノマドですが、共通していることは 「とらわれない」ことです。そんな機動力、つまり自由な発想、行動力、好奇心によって、ひょっとしたらチンギス・カンのような大きな成果を、なんてこと考えると、馬鹿なことを、と思いつつも、何だかワクワクしてしまいますね。
とらわれなさを感じるジミー・ペイジのギター